Diel前訪問研究員らの論文がScientific Reportsに採択されました
公開日：2025年1月24日
Diel前訪問研究員・港チームリーダー（インタラクティブロボット研究チーム）・佐藤チームリーダー・Hsu研究員（心理プロセス研究チーム）らの論文がScientific Reportsに採択されました。
世界で初めてアンドロイドが幅広い複雑な感情の表情を作り出すことができることを報告しています。
研究の背景
ヒトとロボットが自然にやりとりするためには、ロボットの感情表現が役立ちます。
アンドロイドNikolaは、2022年2月に、人のような基本感情の表情を表出できることが証明されていました。（→2022年2月10日報道発表「ヒトのように表情をつくれるアンドロイドを開発」）
しかし、複雑な感情（社会的な感情や混じりあった感情など）の表情を表出できるかどうかは不明でした。
実施した実験
この研究では，心理学研究に基づいてNikolaに22の複雑感情を表す表情を表出させ、ビデオを撮影しました。
そのビデオを、240人の参加者（日本人120人，ドイツ人120人）に見てもらい、感情を評価してもらいました。
その結果、13の複雑感情（楽しい・ぞっとする・畏怖・退屈・満足・はにかみ・憎悪・ためらい・道徳的嫌悪・拒絶・痛み・眠い・疑い）について、日本人もドイツ人も、ターゲットの感情を認識できることが分かりました。
考察
アンドロイドが幅広い複雑感情の表情を表出でき、人とロボットの間できめ細やかな感情のやり取りができると示唆されます。
原論文情報
Diel, A., Sato, W., Hsu, C.-T., Bauerle, A., Teufel, M., & Minato, T. (2025). An android can show the facial expressions of complex emotions. Scientific Reports, 15, 2433.